「残業が多い」
「納期遅延が減らない」
「改善しろと言っているのに反発ばかり」
製造業の現場で、こうした悩みを抱えている企業は少なくありません。
先日、あるお客様先でも、まさに同じような相談を受けました。
あるグループで残業が常態化し、納期遅延も発生している。
会社としては改善を求めているものの、現場からは反発ばかり返ってくる。
「何度言っても変わらない」
「改善意識が低い」
そんな空気感がありました。
そこで私たちは、
「改善についてきちんと話す場を設けてみませんか?」
と提案しました。
実際に現場メンバーと向き合い、業務の流れや困りごとを整理しながら、初歩的な内容も含めて具体的な改善案を一緒に考えました。
そして、1週間に一度30分で良いので、週の結果を話す場を設けてもらいました。
すると、その後。
残業が減り、納期遅延もほぼ解消されたのです。
お客様自身も、
「なんで??」
と不思議そうにされていました。
ですが、私たちはそこに大きな違和感はありませんでした。
現場の人たちは、「改善したくなかった」のではありません。
“ちゃんと向き合ってもらえていなかった”だけなのだと思います。
改善が進まない現場で起きていること
多くの会社では、
- 改善しろ
- 効率を上げろ
- 残業を減らせ
- 自分たちで考えろ
と言います。
ですが、その一方で、
- なぜ今のやり方になっているのか
- どこで困っているのか
- 何が不安なのか
- どこから手をつければいいのか
を、一緒に整理する時間はほとんどありません。
すると現場は、
「また上から言われた」
という受け止め方になってしまいます。
改善への反発に見えて、実際には
“理解されていないことへの諦め”
になっているケースも少なくありません。
「人が辞める会社」に共通していること
最近は、
「人が定着しない」
「すぐ辞める」
という相談も非常に増えています。
もちろん待遇や時代背景の影響もあります。
ですが、それ以上に感じるのは、
“本気で育成に向き合っている会社が少ない”
ということです。
評価制度や研修制度はある。
でも、
社員一人ひとりと向き合い、
- 何に困っているのか
- 何ができないのか
- どこでつまずいているのか
- どうすればできるようになるのか
を一緒に考える時間は、驚くほど少ない。
人は、「管理」だけでは動きません。
「見てもらえている」
「理解しようとしてもらえている」
と感じたときに、初めて動き始めることがあります。
改善とは、「正しい答え」を教えることではない
今回の改善内容自体は、特別なものではありませんでした。
むしろ、
「そんな初歩的なこと?」
と思うような内容も多かったです。
ですが重要なのは、内容の高度さではありません。
“現場と一緒に考えたこと”
そのものだったのだと思います。
改善とは、現場を論破することではありません。
現場と向き合い、
「一緒に良くしていこう」
という姿勢を持つこと。
それが結果的に、
- 改善
- 人財育成
- 定着
- 組織づくり
につながっていくのだと、改めて感じた事例でした。
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